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初心者向け3Dプリンター用フィラメント完全入門ガイド【PLA・ABS・TPUの特徴と選び方】

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フィラメントとは?

3Dプリンターを使ってモノを造形する際に必要不可欠なのが「フィラメント」です。フィラメントとは、FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンターで使用される、熱で溶かして積層するための樹脂材料のことを指します。細い糸状(直径1.75mmまたは2.85mmが主流)に成形されており、スプールに巻かれた状態で販売されています。

フィラメントの種類によって、造形物の強度・柔軟性・耐熱性・仕上がりの美しさなどが大きく異なります。この記事では、代表的な3Dプリンター用フィラメント「PLA」「ABS」「TPU」について詳しく解説し、それぞれの特性や使い分けのポイントを紹介します。

PLA:扱いやすい定番素材

PLA(ポリ乳酸)は、初心者から上級者まで幅広く使われている3Dプリンターフィラメントの定番です。トウモロコシやサトウキビなどの植物由来の原料から作られており、環境に優しいという特徴があります。

特徴:

  • 低温(180〜220℃)で造形可能
  • 反りが少なく、安定したプリントが可能
  • 造形中の臭いが少ない
  • 表面仕上がりが美しい

注意点:

  • 耐熱性が低く(60℃程度で軟化)、高温環境には不向き
  • 柔軟性や衝撃強度はABSなどに劣る

日常雑貨、フィギュア、模型など、強度や耐熱性よりも見た目重視の造形に最適です。

ABS:耐熱性・強度重視

ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は、自動車部品や家電筐体にも使用されるほどの強度と耐熱性を持つ材料です。工業用途でも使われるため、実用性の高いパーツの造形に向いています。

特徴:

  • 高温(230〜260℃)での造形が必要
  • 耐衝撃性・耐熱性が高い(約100℃まで耐える)
  • 後加工(研磨や接着)がしやすい

注意点:

  • 造形時に反りやすく、ヒートベッドやエンクロージャーが必要
  • 加熱中に臭いが強く、換気が必要

ABSは、機能パーツ、工具、ホビーの一部(強度が必要なラジコン部品など)に最適です。

TPU:柔軟性のあるゴムライク素材

TPU(熱可塑性ポリウレタン)は、ゴムのように柔らかく、曲げても元に戻る性質を持つ柔軟性の高いフィラメントです。衝撃を吸収する特性から、ケースやクッション性のある部品に適しています。

特徴:

  • 高い柔軟性と伸縮性を持つ
  • 耐摩耗性が高く、長寿命
  • 層間接着が強く、丈夫な造形が可能

注意点:

  • 押出機の構造によっては詰まりやすい(ダイレクト式推奨)
  • プリント速度を遅くする必要がある

TPUは、スマートフォンケース、スニーカーソール、振動吸収パーツなどに最適です。

フィラメント選びのポイント

3Dプリンター用フィラメントを選ぶ際は、以下のポイントを参考にすると失敗が少なくなります。

  • 造形物の用途: 見た目重視ならPLA、実用性重視ならABSやTPU
  • プリンターの仕様: ノズル温度やベッド温度、エンクロージャーの有無に対応しているか
  • 環境: 換気ができるか、静音性を重視するか
  • 後加工の有無: 表面を研磨・塗装したいならABSが適している

また、メーカーによってフィラメントの品質は異なるため、信頼できるブランドのものを選ぶことも重要です。試しに少量から購入し、プリンターとの相性を確認するのもおすすめです。

まとめ

3Dプリンターのフィラメントには様々な種類があり、それぞれに特徴と適した用途があります。初心者には扱いやすいPLAから始め、慣れてきたらABSやTPUなどの特殊フィラメントにも挑戦してみると良いでしょう。

最適なフィラメント選びは、造形の成功率を高め、より高品質なプリントを実現するための第一歩です。この記事を参考に、自分の目的に合ったフィラメントを選んで、3Dプリントライフをより充実させてください。

ABOUT ME
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CAEエンジニア
物理系修士卒。BtoBメーカーの機構設計開発業務を経験。
3D-CAD・CAEに出会い、コンピュータ上でのアイデアを具現化できる面白さに惹かれて、社内のCAD・CAE推進部署に異動して現職。

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